碾茶(てん茶)

碾茶(てん茶)とは何か?

摘採期前に柵施設等を利用して茶園をよしず、コモ、寒冷紗などの被覆資材で2〜3週間程度覆った「覆下茶園」から摘採した茶葉を蒸熱し、揉まないで碾茶炉等で乾燥させて製造したもののことを言います。

公益社団法人日本茶業中央会の緑茶表示適正化推進員会による定義(2018年7月10日)

碾茶(てん茶)ができるまで

よしず棚など被覆資材で2〜3週間程度覆った「覆下茶園」から摘採します。

強い日差しが当たらないように育てると、日が当たって育った通常の茶葉よりも、旨みの多い柔らかな新芽へと成長します。通常の茶葉生産より、手間暇をかけて作っているのが特徴です。覆下茶園から摘み取られた生葉は蒸気で蒸し、酸化を止めます。

てん茶機械2

「玉露」と「碾茶」の大きな違いが生まれてきます。

「玉露」は煎茶と同様な段階を経て製茶していきますが、「碾茶」は茶葉を揉むことはせずにまず「散茶」と言う工程を経ます。これは風で蒸された生葉を吹き上げながら冷却し、蒸し露を除去し、葉の重なりをほぐして次の乾燥工程への下準備を行います。

煉瓦造りの乾燥炉にて高温で茶葉を乾燥させます。「荒碾茶」から茎や葉脈を取り除き、石臼で挽きやすい大きさに形を揃えて「碾茶」が出来上がります。この碾茶を石臼で挽けば皆さんがご存知のお抹茶が出来上がります。